【MayaTips】オブジェクトの表面に別オブジェクトを吸着【標準機能】




Maya標準の アトリビュートの転送(Transfer Attributes) という機能内の一つを使用することで、頂点の位置を転送することができます。
これは、オブジェクトの表面に別オブジェクトの頂点を吸着するような結果が得られます。
例えば、複雑な形状を単純な形状に吸着させて滑らかにしたりするときに使えるとおもいます。
アトリビュートの転送(Transfer Attributes)
まず、基準になるオブジェクト(ソース)を先に、形を変えたいオブジェクト(ターゲット)を後に、複数選択状態にします。

基準のソースオブジェクトはポリゴン数多いほうが滑らかになります。
メニューの
メッシュ(Mesh) > アトリビュートの転送(Transfer Attributes) の□でオプションを開きます。

上段の転送するアトリビュート(Attributes To Transfer)内の項目は、
頂点の位置(Vertex position)のみをOn にし、他はOFFにします。
下段のアトリビュート設定(Attribute Settings)は、
サンプリング空間(Sample space) を ワールド(World)、
ミラーリング(Mirroring) を Off 、
検索方法(Search method)は、形状によってどちらが良いか変わるので、都度良い結果が得られる方にしてください。

適用(Apply) を押すと、頂点が転送され、ソースオブジェクトにターゲットオブジェクトが吸着されたような結果になります。

ただし、このままではヒストリが残っているので、
ソースオブジェクトを移動させたり変形させると、ターゲットオブジェクトもついてきてしまいますし、
ソースオブジェクトを削除するとターゲットオブジェクトの形状は元に戻ってしまいます。

このヒストリの残っている状態をうまく利用して作業することもできますが、
形状が確定したら、ターゲットオブジェクトを選択し、
Alt+Shift+Dキーでヒストリを削除してください。

ソースオブジェクトを移動させたり、削除してもターゲットオブジェクトは変形しなくなります。

部分的な転送
ソースオブジェクトを選択後、ターゲットオブジェクトは頂点選択モードに変更して頂点をShift押しながら追加選択することで、
部分的に転送することが可能です。

ソースオブジェクトはオブジェクト選択。
ターゲットオブジェクトは頂点選択。
転送する頂点を限定できる。
ブラシで調整
アトリビュート転送後、ヒストリが残っている状態でターゲットオブジェクトを選択し、
メッシュ ツール > アトリビュート転送をペイント(Mesh Tools > Paint Transfer Attributes) の□でオプションを開きます。

ブラシでペイントできる状態になり、
値(Value)の数値を変更し、ターゲットオブジェクトをペイントすると、転送の強弱をブラシで設定できます。

値(Value) 0で転送前の元の位置、1で転送位置になります。
塗りつぶし(Flood)ボタンで全体をまとめて同じ数値にすることもできます。
使用例
複雑なパーツで歪んでしまったものを滑らかに。

穴あけ等で、割が増えたオブジェクトも滑らかに。

その他の機能
アトリビュートの転送(Transfer Attributes) は他にもいろいろできますが、別の機会でご紹介します。
つぶやき
「アトリビュートの転送」って名前からすると、アトリビュートエディタで設定する数値を転送するのに使うイメージ持ってしまいそうですよね。
ややこしいんですが、メッシュ情報を転送する機能という意味になるんですかね。
あと日本語版と英語版使ってる人で認識してる名称が大きく違うので、
いつも口頭では アトリビュートの転送 と Transfer Attributes わざわざ2つ言っています。
スポンサーリンク