【レビュー】REVOPOINT RANGE 3D スキャナ





3Dスキャナ、「Revopoint POP 2」 「Revopoint MINI」 に続き、
新製品の、「Revopoint RANGE」 のレビューをさせていただくことになりました。
大きなもののスキャンが従来品よりもしやすくなったとのことで人や車のスキャンにチャレンジしました。
Revopoint RANGE

Revopoint RANGE は、大型対象物のスキャンに特化した3Dスキャナです。
最大0.1mmのシングルフレーム精度で、大きいサイズの3Dスキャンでも繊細なディティールが見られます。
シングルスキャン範囲が広いので、大きいもののスキャンが効率的です。
Revopoint RANGE 高精度赤外線構造化光3Dスキャナー
Revopoint POP 2 と、Revopoint MINI については、下記の記事を参照ください。
【レビュー】Revopoint POP 2 3D スキャナ レビュー
【レビュー】Revopoint MINI 3D スキャナ レビュー
内容物
今回送って頂いたのは、
Revopoint RANGE 本体と、アクセサリーの大型ターンテーブルです。

Revopoint RANGE
本体と付属品はこんな感じです。

スキャナ本体、グリップ三脚、バッテリー付きグリップ、スマホホルダ。各種ケーブル類、マーカー、黒シート、説明書、等です。
大型ターンテーブル
大型ターンテーブルと付属品です。

ターンテーブル本体、リモコン、ACアダプタとプラグアダプタ、説明書、です。
でかいです!!
直径約50cmで、なんと200kgの荷重に対応しています!人が乗っても平気です!
リモコンが便利です。
POP2 MINI のターンテーブルと比較。

でかいw
スキャン基本
試しに直径26cm高さ32cmの切り株をスキャンしてみます。
基本的なスキャン方法はPOP2 MINI と同じで手持ちでも三脚で固定しても使えます。
今回は手持ち+ターンテーブルでスキャンしました。
ターンテーブルで回転させると、自分は移動せずに360度スキャンできて便利です。

そこそこ重いものを乗せる時にターンテーブル大丈夫かな?とついつい思ってしまいますが、
そこは200kg対応!持ち上げられる程度のものなら全然余裕です。
RANGEの特徴の一つで、POP2 MINI よりも離れた距離から広い範囲がスキャンできます。

スキャン画面の比較はこのとおり、RENGEはPOP2に比べ1フレームで全体をとらえることができています。

RANGEカタログ値
動作距離 300mm~800mm
シングルスキャン範囲 360mm×650mm
被写体との距離が、「近すぎ」「ベスト」「良い」「遠すぎ」をソフトが教えてくれるのですが、上記はベスト判定される距離で比較しています。
「良い」や、ある程度「遠すぎ」でもスキャンはできるので、もうすこしだけ離れて広い範囲のスキャンが可能ではあります。

ターンテーブルで1周スキャンしたら、切り株をひっくり返してまた一周スキャン。
点群の統合や、メッシュの生成をソフトで自動的に行い、3Dモデルを出力した結果です。
カラー無しのモデル形状でもわかる通り、かなり細かい凹凸まで形状としてしっかりスキャンできています。


こちらはUnityで表示しています。
カラーもきれいにスキャンできました。

テクスチャ解像度は4096pix×4096pixです。
人体をスキャン
広い範囲をスキャンできることを生かし、人体のスキャンにチャレンジました。


人体をスキャンするには、スキャナを大きく動かす必要があるため、被写体の他にもう一人必要です。
被写体の人はターンテーブルに乗り極力動かないように注意します。
もう一人はRANGEを持って、ターンテーブルが一周するごとに少しずつスキャンする位置を足元から上昇させていく形で、ほぼ練習なしに1回で全身スキャンすることができました。
正確に測ってないのですが、大体ターンテーブルが5~6周の間、時間にして2~3分でスキャン自体は完了しました。
ターンテーブルが便利なのと、不可視光の赤外線なので目を開いていても眩しくないです。
セーターの凹凸も出ています。

シワがリアルです。

手の形もきれいに形状化されています。

細かいシワまでスキャンできています。
足の裏はスキャンできないので、ソフトで穴を埋めてもらう設定をし、自動でメッシュ生成してもらいました。

さすがに恥ずかしいので帽子とマスクを付けましたが、
目の周りの凹凸がしっかりでていますし、マスクのしわや紐もスキャンできています。

これ目をつぶってるわけじゃなくて、スキャンしてる人と一緒に下にあるモニター確認してるんで、ちょっと眠たそうな感じになっちゃいました。
時間が限られていたので、一回きりしかスキャンしていませんが、ちゃんとスキャンする際はしっかり目を開いて前を向いたほうがよさそうです。
同時にカラーもスキャンできました。

すこし暗かったりノイズも入ったりしていますが、特にライティングを気にせず部屋の室内光、ターンテーブルを使用でこのような結果になりました。

もっと綺麗にカラーをスキャンするためには、撮影場所のライティング環境等、ノウハウが必要そうです。
自動車をスキャン
自動車も工夫次第でスキャンできるとのことでチャレンジしました。
時間も限られていたので今回はフロント部分までです。

POP2 同様 RANGEもスマートフォンに接続してのスキャンが可能です。

これで屋外に持ち出せます。
3Dスキャナの問題点
ここで一旦問題点に触れておきます。
Revopointに限らず多くの3Dスキャナは、
・直射日光など強い光のある屋外に弱い
・透明、黒、反射物がスキャンできない
・特徴形状がない平面などに弱い
という弱点があるようです。
これらは、それぞれ対策次第でスキャンできる場合がありますので、今回は一つずつ対策しながらスキャンしました。
[屋外の強い光]問題
RANGEはPOP2等に比べ屋外にも強くなっているということでしたが、直射日光のあたる日中はやはり難しかったため、
日没直前から真っ暗になる前までの時間帯で行いました。
屋根もない完全屋外でだったので、日光の遮蔽物などがあればまた違う結果になるかとは思います。

[透明 黒 反射物]問題
自動車には、透明、黒、メッキ等の反射物要素が多く、そのままではスキャンできない部分があります。

そのまま対策なしにスキャンすると、このようになってしまいます。

(スキャンできないところに対して白いボディーはそのままで綺麗にスキャンできますね)
スキャンできない部分は、数時間で元通りになる特殊なスプレーで塗装という対策があります。
今回使用したのはこちらです。
3Dスキャン用昇華型スプレーAESUB

フロントバンパーの黒、メッキ部分と、ヘッドライトの透明部にこのスプレーを吹きかけます。
多少ムラがあってもある程度コーティングできればOKっぽいです。

最初は心配になりますが、しっかり元に戻ります。4時間で元に戻るとのことです。
屋外で少し風があったせいか30分くらい経つと少しずつ昇華が始まってきたので、急いでスキャンしました。
独特なにおいはしますね。
ちょっと下方向からの吹付が甘く、下向きの箇所に穴が開いてしまったところがありますが、これくらいはソフトウェア側で対処することにしました。この辺は経験が必要そうですね。

左右対称なので、右側だけスキャンしました。
[特徴形状無し]問題
ボンネットのように、平面の面積が大きく特徴が少ないものは、マーカーを貼って対処します。
1フレームに複数マーカーが入る間隔で、ランダムにマーカーを被写体に張り付けていきます。

今回は64個使用しました。

スキャンソフトをマーカーモードに設定し、きれいに形状がスキャンできました。

マーカーは、粘着力が強めなので、貼るときは剝がすときのことも考えて、確認しながら行ったほうがいいと思います。
素材は紙ではないようなので、何回か使えそうです。粘着力も全然残ってます。

剥がしてまた戻しました。
そのままで問題ないパーツ
フェンダーのパーツは、曲線も多く、透明も黒もメッキもなかったので、そのまま問題なくスキャンできました。

正確にはサイドウィンカーのところに小さな穴が。まぁこれもソフト対処でいいでしょう。
各パーツを結合
これら別々にスキャンした、フロントバンパー、ボンネット、フェンダーを、
Revo Studio というソフトを使用して結合させます。

■Revo Scan 5.0
現在は、スキャン時に使用する Revo Scan というソフトと、上記の Revo Studio の機能がひとつに統合された、
Revo Scan 5.0という新しいソフトウェアがリリースされています。
性能が上がっており、両方のソフトの機能が使えるとのことなので、これからはこの Revo Scan 5.0 を使ったほうがよさそうです。
日本語版が4/14にリリースされたばかり!
下記は古いRevo Studioでの話になります。
共通の形状が検出できれば自動で結合できるので、
できるだけ他のパーツと被った箇所までスキャンするといいです。

今回は自動で結合できました。

ここまで来たら左半分をミラーコピーする準備をします。
なんとなく思いついた方法なので、一般的なのかはわかりませんが、
一旦この3Dデータを出力し、別のCGソフトで反転します。

今回はZBrushを使用しました。
読み込み反転だけしてobj出力です。
その反転したデータを再びRevoStudioで結合します。

このように左右を自動で結合してもらえるので、
他のソフトでミラーコピーするよりも、中心の軸を探る手間が省けます。
RevoStudioでゴミ削除や穴を埋め作業を行い、
フロント部分の3Dデータが作成できました。

今回は時間の関係でフロント部分のみですが、この手順を繰り返していけば、車体全体もスキャンできると思います。
別々にスキャンしたパーツも結合できるので、形が変わらないものであれば同じ日に一度にスキャンする必要もないです。
後々範囲を増やしていくこともできます。
Revopoint POP 2, MINIとの使い分け
各製品のスペック表です。
Revopoint RANGE

Revopoint POP 2, Revopoint MINI

RANGEは、1フレームでスキャンできる範囲が広いため、大きいものをスキャンするには圧倒的に便利です。
カラーの性能もアップしています。
ただし、POP2やMINIよりも精度が少し劣ることと、
最小50mm×50mm×50mmなので、それよりも小さい POP2 や MINI の時にスキャン検証した石などを試してみましたが、RANGEではうまくいきませんでした。

どんなものをスキャンしたいかというのを念頭に、製品の選択、使い分けするといいと思います。
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